活動報告@同志社山岳同好会

同志社大学の公認団体【同志社山岳同好会】の活動などを報告しています!

個人山行(剱岳・奥大日)

更新が遅くなり、申し訳ありません。19年度生の村田です。

9月の初めに行った個人山行(剱岳)についてご報告させて頂きます。

(以下、太字は18年度の門が加筆)

【日程】9/6~9/11(2泊3日)

【メンバー】3回生:早川(CL)、太田(SL)

                     2回生:門

                     1回生:村田

【行程】1日目:富山=室堂〜劔沢キャンプ場(BC1)

    2日目:BC1〜剱岳〜前劔〜BC1〜雷鳥沢キャンプ場(BC2)

    3日目:BC2〜奥大日山〜BC2〜室堂=富山=京都

 

 

【1日目】

  9:51 室堂 発

10:23 雷鳥沢キャンプ場

11:50 劔御前小屋

13:00 劔沢キャンプ場

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劔沢キャンプ場

   澄みわたる大空の向こうに、剱岳がそびえていた。他のどんな山よりも猛々し

く、荘厳たる様であった。

  

これを今から登るの!!?

 

連なる劔のような尾根を見て、にわかにもこれから登るんだという実感が湧かなかった。

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考える太田先輩

  太田理哉は考えた。ひねもす考えた。果たしてこんな山に登っても良いのであろうか、と。上の画像はその時の様子である。見よ!この知性に従属させられている四肢、理知に光る額、それはまさしく、かのアテーナイの哲人、ソクラテスではないか!?

 

  しかし、おぉ、太田理哉よ、汝自身を知れ!今は考える時ではない!理性をもってその可否を極めんとする時ではない!肉体の時である!肉体の讃歌、肉体の祝祭!三年間鍛え上げたその肉体を以てして、剱岳の頂を超えていけ!筋肉の申し子、腹筋の挑戦者、太田理哉よ!!!!!!!!

 

余談だが、トイレにて私物の落し物が多いそうだ。山では、トイレに持ち込まない!これを徹底しなければならない。

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私物滑落注意の触書

 

【2日目】

 4:01 劔沢キャンプ場 発

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前劔

朝起きてからずっと心臓の音が鳴り響いていた。

辺りは真っ暗。ふと上を見ると、そこには連なる登山者の光。まだ3:30なのに!!

 

ここで私たち一行は不思議な男性とすれ違った。以下ではその一部始終を書く。

 

私たち          「おはようございます」

 

不思議な男性(以下、男性)「おはよう、今から登るの?」

 

私たち          「はい、そうですけど」

 

男性           「そうかい。ところで、実は今ね、ワァー!!!っていう

              叫び声を聞いたんだよね。何なんだろうね。ま、僕は

              急用ができたので今から帰るところサ。」

 

私たち          「ははぁ、そうですか...」

 

男性、そそくさと去る。彼が残したのはまだ夜を湛えた剱岳と大きな不安だった・・・。

 

のしかかる不安を背負い投げ、劔への一歩を踏み出した。ここで私は思わず詩を読んだ。

 

剱岳の朝に寄せる歌

 

バラ色の雲沸き起こる

山巓の朝は、

天使たちの食堂。

 

そのけわしい山際に腰をかけ

夢を食み、

 

暁の酒杯を傾け

酔いしれる。

 

バラ色の雲沸き起こる

山巓の朝は、

天使たちの食堂。

 

 

 4:55 武蔵のコル

 

  ここ武蔵のコル~前剱間で何度「落!落!」という声を聴いたであろうか。慄きながら一歩一歩進む。これから剱岳を登る者は、ここのガレ場に注意!!気を抜くな!!

 

 5:42前劔

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御光を浴び、神々しい門先輩

  門蓮太朗は神学部神学科に籍を置く。そんな彼が「ツルギ」ときいて想起するのは「剱岳」ではなく、マタイ福音書26:52「剣を取るものは皆、剣で滅びる。」というあった。「この地に平和あれ・・・!」そんな祈りを唇にのせながら、彼は岳を登る。タラコ唇である。

 

6:40 平蔵のコル

 

分かってはいたが、ここを越えなければいけない。平蔵のコル……

星野秀樹さんの本を見て、強烈な印象があった。

 

(ちなみに付す。門は星野さんの本でこの個所を読んだとき、「平蔵」を「友蔵」とだと思ってしまっていた。某漫画『ちび〇〇〇ちゃん』に登場するおじいちゃんの名前と一緒であると勘違いしていたのだ。実際この平蔵のコル前では大渋滞であった。並ぶ列を抜かすインチキおじさんが何人かいた。言いたいことはそれだけである。後半へく。)

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平蔵のコル

実際の高度感は、写真ほどではなかった。三点を意識し、足場を確保しながら進んでいったら、いつの間にか終わっていた。

しかし、何にせよ金比羅でのトレーニングがなければ、ここを通過することはできなかった。

 

待ち受けるタテバイ、ヨコバイに向けて、心を新たにする。

 7:30 劔山頂

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山頂

剱岳、標高二九九九メートルの頂に立った時の感動は、並々ならぬものがあった。今までの努力が全て報われた気がした。

 

 

 (とくに見てほしい。右下の会長・早川成のこの何とも言えない表情を。去年剱岳行の計画をいくつか立てたが、それらをことごとく台風という悪魔に消し飛ばされながらも、それでもめげずにまた岩トレを繰り返し、新たに山行計画もつくり、ついに、年やっのことで、剱岳登山計画実施ならびに剱岳登頂という悲願を果たした者の表情である!!!

 

彼のまぶたを見てごらん・・・。

あまりにも疲れているであろう・・・?

パンッパンだろう・・・!?

 

「おろしなさい、その重たいまぶたを」、という声が快晴の富山湾から聞こえた気がする。

 

本当にありがとうございます、会長。)

 

 

 

それには、これよりちょっと前の出来事が関係している。カニのタテバイ!!

細長い鉄棒が打ちつけてあって、そこを足場にして登っていく。登るたび、遠くなる地面。足場は細い鉄の棒。怖くて足がすくみそうになったが、そこは我慢。精神集中。

どうにかこうにか登りきれた。

 

さて、こうして、劔登頂の喜びも一入であったことがご理解いただけたと思うが、これで終わりではなかった。喜びもつかの間、山頂を後にした我々に奴が忍び寄る。カニのよこばい!!

 

カニのよこばいは、最初の一歩が一番怖かった。なぜなら、それが見えないから。

カニのよこばいは、下山時に使用するルートだ。下る際は、登る時みたいに斜面全体を見渡せるわけではない。斜面の凹凸により、視界が一部に限定される。

カニのよこばいの場合、最初の足場が、膨らんだ岩の真下にある。そのせいで一歩目の足場が見えなくなっている。

 

おそるおそる一歩目を踏み出す。門先輩の指示に従い、おそるおそる体を下ろす。

 

もういいだろう。と思っても、まだ地面はない。えっ!?まだ!

 

勇気を出し、斜面に沿ってえいと振り出す。足先にしっかりした感触が伝う。意外と足場は広い。

体を斜面に密着させ、足場を頼りに左下方へと伝っていく。

途中、足場が切れ切れになっており、足を伸ばさなければならなかった。

 

怖かった……

 

9:45 武蔵のコル

  上記のとおり、この武蔵のコル~前剱間のガレ場は本当に注意です。登頂して、更にはタテバイ・ヨコバイという難所をくぐり抜け、気が抜けているときにここを通ります。危ないです。落石や滑落をして、被害者並びに加害者にならないよう細心の注意を払いここを通りましょう。

  私たちは実際、ここを通っている際、他の登山客が落石をしてしまっているのを何度も見ました。命の危機が目の前にありました。再三申しますが、注意しましょう。

10:30 剣山荘

 

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剣山荘で飲んだコカコーラ、うまかった〜!

13:30 雷鳥沢キャンプ場

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名古屋名物、味噌煮込みうどん!めっちゃうまい!!

【3日目】

4:00 起床

5:00 雷鳥沢発

奥大日山を登頂する予定でしたが、途中霧が濃くなってきたため、安全を考慮し、断念致しました。

テントを撤収後、一路、みくりが池温泉へ!

8:30 室堂バスターミナル

9:00 みくりが池温泉

とにかく熱い!浴室が二つあって、高温、低温とに分かれているのですが、低温のお風呂が熱い!笑

 いや、本当に熱かった。というか、痛かった。浴槽につかる前体を洗っている際、他の利用客の口から洩れる「アツィ...アツィ...アツイなあ...。」という小声に、さらにはあまりにも早すぎる浴室からの退室に、(そんなわけないやろ・・・)と、内心ツッコミをかましていました。

 しかし、いざ自分の番になり、浴槽にいざ足をいれると、もうね、ほんとに死ぬかと思ったよ。皮膚がね、ことごとく蕩けてしまうかと思ったほどでした。(ここは地獄の窯か!)と、また内心ツッコミをかましつつ、肩までザブンとつかり、100まで指折り数えてやろうかと思いましたが、そんなことをしては本当に生き地獄だと思ったので、やめました。むしろ浴槽にさえつかれないと知り、僕のプライドが折られました。

 けど、とっても気持ちよかったです。

熱いけれど、とても気持ちのいいお湯でした。

 

【山行を終えて】

剣山に登れたことがいまだに信じられません。遠くから見る剱岳の切り立った姿。本当に登れるのかな?笑

しかし、事実僕は登頂しているみたいです。登っている間の美しい景色は、しっかりと僕の頭の中に残っています。

登りきれたことは、ひとえに自分の力ではなく、岩トレの際、何度も間違う自分を丁寧に指導してくださった先輩方のおかげです。本当にありがとうございました。

いつかは槍・穂高連峰にも挑戦してみたいな!??

 

 

  剱岳という難しい山を踏破した者は、欣喜雀躍、心地、まさに天にのぼるばかりである(下の写真を見よ)。しかし何もこれは、自力を以てして達成できたことではない。多くの人々、殊に先輩である、早川成、太田理哉、そして後輩にしてはあまりにも頼りになる、村田正宗という人物によるところが大きい。ここにおいてであるが、その謝意を表したい。本当にありがとうございます。

 

 

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いつも心にアルプスを!!!

 

文責:門、村田

写真:メンバー各位