活動報告@同志社山岳同好会

同志社大学の公認団体【同志社山岳同好会】の活動などを報告しています!

個人山行 熊野古道(中辺路) 《その1》

山岳同好会15年度の永井です。
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11日~13日に行なわれた個人山行 熊野古道(中辺路)のご報告をさせて頂きます。
メンバーは、
CL
海老名(14年度)SL岡本(14年度)・西山(12年度)・記録 永井(15年度)・森島(15年度、初参加)
5名でした。今回の山行では、昨年10月に、当会のOB組織であります同志社クローバー山岳会様のご支援の下で購入したmont-bell6人用テントを使用させて頂きました。

メンバー全員が1つのテントで行動することができ、とても快適なテント生活を送ることができました。この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。
 


211日〉(1.5P

京都駅7:401集合
京都駅8:00(高速バス)11:55紀伊田辺駅12:35(路線バス)牛馬童子13:52

13:55 牛馬童子口バス停
14:12  牛馬童子
14:40  近露王子
15:06  C1アイリスパークオートキャンプ場


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この日は、京都駅から近鉄高速バス「白浜ブルースカイ号」で、熊野古道の玄関口である紀伊田辺駅に行き、路線バスに乗り換えて中辺路に入る予定でした。
しかし高速バスが渋滞により遅れ、予定通り路線場バスに乗り継ぐことができず、後続の便に乗車したため出発地を牛馬童子口に変更の上、行動開始。
C1の近露王子には2時間ほどで到着しました。幕営地のアイリスオートキャンプ場は、温泉付きのとても快適なキャンプ場でした。「女神の湯」という名の付いたぬめりのある温泉(ナトリウム-炭酸水素塩泉《重曹泉》)に入った後、ビビンバ丼を食し、18時30分就寝。明日に備えます。


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↑前述のmont-bell製6人用テントです。(2月4日 新町キャンパスで撮影)





212日〉(11.5P)
起床 5:00
6:41 C1

7:41
継桜王子
8:46
熊瀬川王子
9:40
林道出合
10:26
岩上峠 
11:21
迂回合流 
 
12:10 三越
13:15
船岡神社
14:05
発心門王子
14:30
水呑王子
15:05
伏拝王子
16:11
熊野本宮大社
16:33
熊野本宮大社 鳥居前  同17:05
18:10 C2
渡良瀬緑の森キャンプ場

ここで熊野古道について説明します。熊野古道とは、古代から中世にかけて人々が熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)にお参りした道のことです。
熊野古道には、紀伊田辺から伊勢の海沿いを通り那智大社を経て熊野川を遡上して本宮へ向かう「大辺路」と、紀伊田辺から険しい山を越えて本宮へ向かう「中辺路」、高野山から本宮へ向かう「小辺路」の主に3つのルートがあります。(他にも大峯奥駈道伊勢路があります。)  今回は、最も多くの参拝者が歩いたとされる「中辺路」を歩きました。
また熊野古道沿いには、熊野の神様である御子神が祀られている「王子社」とう社が多くあり、古来から参拝者の休憩所となっています。

2日目は、5時起床。近露王子から熊野本宮大社までのおよそ20kmの道のりを歩きます。
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↑継櫻王子にて

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↑継櫻王子にある「とがの木茶屋」 こんな、かやぶき屋根の家も残っています。中は無料開放されていて記帳台があります。写真に写っているのは16年度会長のCL 海老名。身長180cm超だそうです。

熊野古道」といいますが、写真で見るのような生い茂る木々の中を通る石畳・・・のような古道ばかりではなく、舗装された道路や林道、京都北山を彷彿させる登山道などがかなりの部分を占めています。それには、どこまでも続く山々と谷に覆われている紀伊半島独特の地理が関係しており、交通路の開発が困難なゆえに主要交通路は古人が拓いた道に並行する形で作られ人里が形成されていったという経緯があるとガイドマップに記されていました。

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↑過疎化により廃村となった集落跡。


途中で台風被害により通行止めとなった熊野古道のう回路を通ったり、いくつもの峠と王子社を越えて熊野本宮を目指します。
途中で廃村となった集落跡の近くで防砂施設の工事をされていた方にミカンを頂きました。ありがとうございました。

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↑工事現場の方に頂いたミカン。みずみずしくてとても美味しかったです。(撮影:海老名)

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↑発心門王子

14:05発心門王子 着。   発心門王子から熊野本宮大社まではガイドブックにも載っているルートになります。
ふるさと富士の一つである三里富士山をバックにして伏拝集落に広がる茶畑やミカン畑はとても美しくのどかな光景でした。
ちなみに、ここの地名である伏拝集落の「伏拝」とは、紀伊田辺から険しい山々を越えてきた参拝者が伏拝集落の美しさと、雄大熊野川、そして遠くに見える自分たちが目指してきた熊野本宮の大鳥居をみて「伏して拝んだ」ことから「伏拝(ふしおがみ)」の名前がついたと伝えられています。
また2001年10月放送開始のNHK連続テレビ小説「ほんまもん」の舞台となった所でもあります。





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伏拝集落&熊野古道

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↑ラストスパート! 本宮までもうちょっと! 


その伏拝からまたひと山越えてようやく熊野本宮に到着しました。
時刻は、16時11分。C1を出てからおよそ10時間。達成感にあふれる瞬間でした。


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↑旧社地の建っている「大斎原(おおゆのはら)」日本一高い鳥居で高さが33.9mあります。1889年の大洪水で流されるまでは、熊野本宮大社は、熊野川の中州であるこの地にあったそうです。


各自で熊野本宮を参拝し、16時30分鳥居前。幕営地までは歩く予定でしたが、本宮まで10時間と予想以上に時間がかかったため、疲労等を考慮してバスかタクシーを利用することに。バスは最終便がいってしまったのでタクシー利用で幕営地に向かうことに決定。
あとは本日の幕営地の渡良瀬緑の森キャンプ場に向かうだけ・・・ 皆がそう思っていました。そこに5分ほど前に配車予約したタクシー会社から1本の電話がかかってきました。

 オペレーター「本宮営業所のタクシーは、16時で営業を終了しておりますですので、運行できません。」

熊野本宮大社から渡良瀬温泉緑の森キャンプ場まで、国道経由(上り坂)で4.9km… 所要時間70分 当初の予定通り歩くことが決まりました。

18:10 渡良瀬緑の森キャンプ場到着。
併設されている渡良瀬温泉で疲れた体を癒します。今回の山行の幕営地は全て温泉がついているのでとても快適です。
行きませんでしたが、近くにある旅館の露天風呂は日本一の広さを誇る露天風呂だそうです。温泉プールまであるのだとか。

食事を済ませてすぐに就寝。明日は雨の予報。



1度の記事に掲載できる写真の容量も上限に達しそうなので、ここで締めさせて頂きます。最後まで読んでくださりありがとうございました。

◆◆「個人山行 熊野古道(中辺路) その2」に続く・・・

◆参考文献
熊野古道巡り地図帳』 (吉田昌生・和歌山県田辺市、2012)
熊野本宮観光協会HP http://www.hongu.jp/    ほか、多数

2016年2月15日
文責:永井(15年度)
写真:海老名・永井