15年度の永井です。7月上旬に行いました偵察山行(槍~西穂)の報告です。
【日程】7月8日(土)~11日(火) 《3泊4日》
【メンバー】CL松下さん(82年度)、SL中野(16年度)、記録 永井(15年度)、海老名(14年度)
【行程概要】
2.C1~飛騨乗越~槍ヶ岳~南岳小屋C2
【行動記録】
〈1日目〉
〈2日目〉
4:45C1槍平小屋~5:50/6:00~6:44/6:55~7:55飛騨乗越8:05~8:45槍ヶ岳9:03~9:30飛騨乗越9:36~10:29中岳10:34~10:50〈雪上訓練〉11:55~12:14南岳小屋C2 《8.5P》
〈3日目〉
4:35C2穂高岳山荘~6:00/6:10~6:55/7:05~7:52A沢のコル8:05~9:01北穂高岳9:15~10:36/10:44~11:25/11:34~12:25/12:34~13:20穂高岳山荘C3 《8.0P》
〈4日目〉
4:15C3穂高岳山荘~4:50奥穂高岳5:05~6:13ロバの耳手前6:23~7:15ジャンダルム西穂側7:25~9:01天狗のコル9:11~10:15/10:25~11:15/11:25~12:21西穂高岳12:35~13:15西穂独標13:23~14:19西穂山荘14:25~15:15新穂高ロープウェイ西穂高口駅 《11.0P》

3日目朝、南岳小屋のピークにて。
【行動内容】
〈1日目 7月8日(土)〉
早朝、アルピコ交通の夜行バスで松本に到着。松下さんの車に便乗させてもらい、新穂高温泉へ向かう。新穂高温泉の駐車場から、整備された右俣林道を通って槍平へ向かう。緩やかな勾配が続いて歩きやかった。増水の可能性を懸念していた滝谷渡渉部沢は、難なく渡ることができた。予定よりかなり早い13時過ぎには槍平小屋に到着した。槍平小屋からは、大キレットの急峻な稜線を見渡すことができた。
明後日通過する核心部の予習をしたりしながら過ごす。


〈2日目 7月9日(日)〉
3:30起床。4:45発。天気は曇り。残雪の残る飛騨沢を詰めて槍穂の稜線まで上がる。コースタイムの半分程度で槍ヶ岳山荘に到着。シーズン前の誰もいない槍ヶ岳に登る。槍ヶ岳の山頂は360度の絶景だった。槍ヶ岳からはアップダウンを繰り返して幕営地の南岳小屋を目指す。途中の中岳の雪渓ではピッケルを使った制動訓練を行った。南岳小屋12:14着。シーズン前でキャンプ指定地のトイレが開いておらず、小屋の快適なトイレを使うことができた。





〈3日目 7月10日(月)〉
3:30起床。4:35発。天気は晴れ。大キレット核心部を通過する日。南岳小屋のピークから北穂で続く稜線を目にして気が引き締まる。浮石だらけの斜面や梯子を下って大キレット最低鞍部まで下りる。ここからは核心部の連続となる。切れ落ちた長谷川ピークや飛騨泣きを通って北穂高岳に登る。北穂高岳から奥穂高岳への稜線も気の抜けない稜線が続く。慎重に涸沢槍や涸沢岳を通過して13:20着。穂高岳山荘にて雪解け水コーヒーを頂く。

















〈4日目 7月11日(火)〉
3:00起床。4:15発。天気は曇り。奥穂~西穂に挑む日。
奥穂高岳を出発してすぐの馬の背は、足場を見つけにくく高度感がある岩場で恐怖感を覚える。馬の背からロバの耳、ジャンダルムを越えて西穂に向かう。このあたりの岩場は、ペンキマークがあるものの、ルートファインディングが難しい。浮石だらけの斜面を登って天狗の頭から有名な逆層スラブの壁を下り、間天のコルで休憩。
ここから核心部ルート終盤の間ノ岳や赤石岳を越えて、12:21西穂高岳着。ヘルメットを脱ぎ、筆舌に尽くしがたい達成感を味わう。山頂からは乗鞍岳や焼岳の火口が鮮明に見えた。ここから足早に稜線を下っていき、ロープウェイ西穂高口駅15:15着。ガスが出てきたので、2階建ての新穂高ロープウェイからの展望が見えなかったのは少し残念だった。
新穂高温泉で「深山荘」のヒノキ風呂に入って疲れを癒し、再び松下さんの車で松本に戻る。途中、安曇野の高級とんかつ屋さん(おひとり2000円以上)で松下さんにロースかつをご馳走になる。お替り自由のご飯や味噌汁、キャベツをたくさん頂いた。ご馳走様でした。その後、松本駅で解散し、夜行バスで京都に戻った。
画像の添付容量の関係で4日目(奥穂~西穂)の写真は、次の記事に記載します。以下の記事を参照して下さい。(URL: https://blogs.yahoo.co.jp/d_sangaku/34921972.html)
【総括】
今回の山行は、9月に行う現役のみの個人山行(槍~奥穂~前穂~上高地)のルート偵察を主たる目的として行った。4日間を通して、天気が良く他の登山者も少なかったので、ルートをよく観察することができ、素晴らしい経験となった。また、最終的に国内の一般縦走路で最も難しいとされる奥穂~西穂の稜線を安全に通過することができたのも大きな自信につながった。秋に下級生を連れて現役ののみで槍穂へ行くにあたって、非常に有意義な山行であったと思う。
全体としては、岩場での動きや体力等の行動面ではある程度の評価を頂いた一方で、テント内での動きや天気図作成、エッセン計画等の反省点も多々見つかった。この教訓を生かして今後のプレ夏合宿、夏合宿、個人山行を有意義なものにしていきたい。
末筆になりましたが、偵察山行への同行依頼を快く引き受けて下さり、山行中も様々な側面から指導をして下さったOB松下さん、本当ありがとうございました。
7月17日(月)執筆
写真:松下さんから提供頂きました。ありがとうございます。
文責:永井